7/14 第2回てつがくカフェ@さいたま報告

 

日時: 2013/7/14 15時~

テキスト: 平野啓一郎「空白を満たしなさい」

第二回のてつがくカフェ@さいたまは、書評カフェ。
参加者7名のうち、初参加者は2名。テキストが、一般書店でも図書館でも、品切れ状態であるために、内、4名がテキストを読まずに、本イベントに参加という状況でした。

念のため、主催者が用意した、後半部分の数頁のコピーを、

未読者に読んでいただくことで、カフェはスタートしました。

読んでいただいた箇所は、以下。
1 聖人という評価
2 分人について
3 幸せと頑張りの関係

1は、あまり参加者が乗らなかった、

2は、参加者に、短い時間で「分人」の概念が理解しにくかったようで、

3で対話が、盛り上がりました。

3の箇所は、披露宴で、新郎のビールを、色んな人が注ぎにくる場面です。
どんどん注がれるビールを新郎は飲む。

嬉しいことだが、段々辛くなってくる。

飲み干せないのに、注がれる。その時、新郎は、幸せの絶頂にある。

と、描かれています。

この部分について、結婚して皆に祝福される幸せと、
頑張り(ビールを飲むこと)のバランスについて、様々な意見が出ました。

・幸せであるからと言って、自分の許容範囲を見極めないと、

身体が持たない、つまり幸せでなくなる。

・見極め方はどうするのか。経験や年齢なのか。
学校は、頑張りしか教えない。
諦めることを教えるのは、家庭の役割ではないか。

・幸せの等価交換として、頑張ってしまう可能性がないか

・若者には、リア充という言葉に象徴されるように、

オフでも頑張ることを演じることを強要される空気がある

・頑張りすぎないことは大切だとして、頑張りたくないが、

やらなければならないことには、どうやって対処するのか。

・やらなければならないことと、やらなくてもよいことは、
どうやって線引きするのか。

など、最後になって、てつがくカフェらしく、

ある状態を満たす条件について問う場面が、
自然と出て来たところで、時間終了。

対話のなかで、世代間の感覚の違いをみる場面、

教育について考える場面もありで、

まさに深い思索を伴うカフェとなりました。

 

初参加の方の感想としては、

初めて会った人と、深い話ができる意外性に驚いているようでした。

 

参考:
2の分人の対話になったときに、参加者より出た参考サイト(you tube)

Vincent / Don McLean